ラフセイルの非対称とは?

QT.Oさんからの質問

RAF(ラフセイルの「ラフ」/Rotating Asinmmetric Foir)のアシンメトリック(非対称)とはどういう意味ですか。セイルの状態Aと状態Bが非対称であることを示すものと推測しますが、その場合の状態Aとは、状態Bとは?また対称軸は何?この点について理解を深めたいので教えてください。

Aまずは過去歴の「ノーカムセイルのローテイト」を読み解いてください。俗称「ローテイト・アシンメトリカル・フォイル」とは、イラスト1のような、風下側は整流され、しかし風上側には乱流が生じるものだとご理解いただけるでしょう。これは今の「スリーブが細い」、俗に言うノーカムセイルの特徴です。

イラスト1

対して俗に言うレーシング系セイルのような「幅の広いマストスリーブを持つセイル」の場合は、イラスト2のように風上側にも整流効果が見込まれます。整流効果の見込みはスリーブが広いほど高く、そのためよりスピードに特化したトップレースセイルほどスリーブが広くなる傾向が強くなります。

イラスト2

こうして幅広いスリーブを持つセイルは、ラフセイル(ノーカムセイル)に見られた風上側の乱流が解消され、すなわち風下側=整流、風上側も=整流、となります。厳密には風下側と風上側のリーディングエッジからトレーリングエッジまでがまったく同じ表面距離ではないので風上側=風下側ではありませんが、こうして風上側にも整流効果が「見込まれる」ものを総じてアシンメトリカルに対してシンメトリカル(対象)と「俗称」します。

すなわちラフセイルにおける「非対称」とは、限定されたひとつのモノの中に対称と非対称があるということではなく、異なるセイル(より対称であるセイル)との比較の中で「オレはあいつと比べると非対称」という意味です。

と、偉そうに解説してはみたものの私自身、流体力学を学んだことはまったく無く、あくまで「ウインド」を通した経験値としての稚拙な知識に過ぎません。もし当ページをご覧になった専門的知識をお持ちの方で、さらなる解説(普通の人にも理解できる範囲で)をいただけるとしたなら、私自身もぜひご教授願いたく思います。