ウルトラカムの返り

QS.Nさんからの質問

SOS ROCKET102に乗っています。フリーウェイブというカテゴリーですが、ほとんど強風ラフ海面でのスラローム的な楽しみにしか使用せず、そこでスピードをさらに上げるためにやや直立したフィンとフリーレースのセイルを組み合わせられないものかと考えています。

Aニールのウルトラカムが返りにくいのは仕方ないようです。特に風の弱い中で返りにくいというのは多くのユーザーが諦めていることで、例えばジャイブ後、足で蹴って返るようならば良しと判断すべきでしょう。他のセイルのカムが非常に返りやすくなった中で、それでもニールを使うということには、それを使う人たちの中にニールへの思い入れがある証拠とも言えるので、こうしたひと手間を頑張りましょう。

コンパクトクリュー(ブームエンドの後ろを覆うシステム)を搭載したマーク4は、ダウンをオーバーセッティングに強めに引いていても、コンパクトクリューがアンダーの走りをサポートしてくれると多くの人がインプレッションしています。質問にある通り、ダウンを少し強めに引けばカムの返りが促進される可能性は高く、だからダウンは強めを意識するのが良いだろうということ。その場合の目安は、第2パネルがスリーブの境目近くまで波打ち、リーチはダラダラ、しかも相当なダラダラ加減になる、です。

そうした上で、さらに蹴っても返らないような場合は、システム的な問題が考えられます。ウルトラカムは、バテンの(スリーブ内の)先端が黒いキャップにハマり、そのキャップが1本の紐で上下2カ所、ウルトラカムを止めるビスに止められています。例えばカムを破損して交換した経験がある場合などによくあるのは、この紐がビスに止められていないというケース。その場合はバテン先端とカムが連動せず、バテンの先端がキャップごとカムの左右どちらかのローラーに挟まってしまいます。それはバテンが押し込まれすぎている状態で、これだとカムはまったく返りません。ちなみに紐もバテン先端のキャップも、購入時にセイルケースの中に予備が入っているので、もし破損が見つかった場合はパーツ購入などの必要もなく自分で修理できます。