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Q:Y.Hさんからの質問 ガストラのGTX RACE8.5を使っているのですが、トップセクションのリーチがダラダラで気になります。指定マストを使用、ダウンは表記516cmを518cmまで引いています。 |
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A:レース系セイルのリーチはダラダラで、リーチからマストにかけての2/3を越えるほどまでシワがあるのが標準。そうすることで風の強弱にリーチが反応し、ツイストが促進されます。 しかし、いかにリーチがダラダラとは言え、そこには限度があります。その説明の前に、まずはダウンとアウトの関係について(過去幾度も解説したことですが)再確認しておきましょう。 ダウンはセイル全体の軽さに影響します。適正なダウンテンションだとセイルは必要な風を捕らえ、余剰な風を逃がし、ツイストが促進されるためセイルは軽く、しかしアンダーも含めて必要とするパワーは確保されます。 ダウンが足りないとセイルは重く、特にブローを受けた際に、時として対処できず前に飛ばされるほど急激にパワーが発生します。アンダーではこの重さが走り出しに貢献することもありますが、プレーニング後はスピードが出ないだけでなく、重さがセイルコントロールを難しくします。 ダウン過多だとセイルは必要以上に軽くなり、リーチが開きすぎて必要なパワーまで逃がしてしまうため、ツイストが不完全になりセイル本来の性能が失われます。逃げたパワーの分だけオーバーに対処しやすいというメリットはありますが、それはあくまで想定風域を大幅に超えたときだけの話です。 風速に合わせてダウンを緩めたり引いたりするのは間違いではありませんが、ツイストのための適正ダウンテンションが想定されている近代セイルでは、吹いても吹かなくてもダウンテンションは一定が基本。アンダーで緩めるにしても、オーバーで引くにしても、それはせいぜい5mm程度の範囲内です。 アウトはバックハンドパワー、すなわち引き込みやすさに影響します。アウトを引けばバックハンドパワーは軽く、アウトを緩めればバックハンドパワーは重くなります。そのためオーバーではアウトを引いてバックハンドパワーを軽くすることで引き込みやすくし、反対にアンダーではアウトを緩めてバックハンドパワーを重くして、その重さでバランスを保ちやすく、さらに初速を得やすくします。 アウトにはこうした風速に合わせたチューニングの他にも、乗り手の好みによって引き加減に違いがあることも多く、またセイルを強く引き込みたい上りでは引き、バックハンドパワーの重さで風下へと押し出してもらいたい下りでは緩めるなど、ケースバイケースのさまざまなチューニングが存在します。 さらにアウトはダウンテンションに影響されることも忘れてはいけません。ダウンを引けばそれに比例してアウトも引かなければバックハンドパワーの体感バランスが保てないということ。もしアウトをそのままでダウンを引いたとしたら、実際にはアウトを緩めていないのに、相対的にアウトテンションが緩くなるということです。 話を戻しましょう。質問者はトップセクションのリーチのダラダラが気になるようですが、文面からだけではそのダラダラ加減がわかりません。もしそれが度を超したダラダラ加減だとしたら、上記したようにセイルが軽すぎてパワーが逃げているはずなので、そのあたりの確認が必要。重要なのはあくまで「見た目」ではなく「使ってどうなのか」だということです。 ひとつ質問内容に疑問があるのですが、なぜリーチのダラダラが気になるのに、表記516cmのダウンを518cmまで引いているのでしょうか。表記数値まで緩めたとしたらリーチのダラダラ度は少なくなると思うのですが、それではダメだったのでしょうか? 最後に別視点からのチューニングとして、アウトを引くほどリーチテンションが強まるというのがあります。すなわち同一のダウンテンションでも、アウトを引くほどリーチのダラダラ度が少なくなるということ。これもまた念頭に入れてチューニングすることが必要でしょう。 |
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