アウトカニンガム

QY.Yさんからの質問

アウトカニンガムについて、何をどう通せば良いかわかりません。使用セイルはテクノワンデザイン7.8です。

A実際にテクノワンデザイン7.8用ブームで見てみましょう。右がそのアウトカニンガムセッティングの写真。クリート(シート留め具)がブーム左右パイプに付き、そこから伸びるシート(赤色)が滑車へ通っています。その滑車からはブームエンドに向けてアウトシート(白色)が伸びているのがわかるでしょう。ちなみに写真画面下にあたる赤いシートの伸びる先は、ゴムシートによって(それがマストを回って)繋がっています。左右のクリートは、セイリングにおいて最もブームの後ろを握る状態、それはジャイブで後ろ手の持ち幅を広げたときですが、そのときにクリートを握ってしまわないところ、すなわち邪魔にならない範囲で最も前寄りに取り付けられています。

クリートを通る引き紐(赤色)は、通常はクリートの穴に端を、そこから滑車を通ってクリートへ続きます(右写真上)が、さらに滑車を追加する方法(右写真下)もあります。滑車を多く使うほど弱い力で引きやすくなりますが、反面でより長くシートを引っ張らなければならないという原理も発生します。

滑車からブームエンドへと続くシート(白色)は、ブーム上部の滑車(左右2つある)の片方を通り、セイルのアウトホールに別途セットする滑車(アウトホール左右に2つの滑車を取り付ける)へ、そしてブームエンド下部の滑車(真ん中1つ)からアウトホールのもう片方の滑車へ、さらにブーム上部のもうひとつの滑車を通って反対側のカニンガム滑車へ「もやい結び」で繋がります。右写真では、指がセイルアウトホールの滑車を模しています。

クリートから前方へ続く引くためのシートの先には、ちょうど指4本が入るほどの輪を「もやい結び」で作っておきます。ただの固結びでもかまいませんが、それだとシートを「握って」引かなければならず力を要します。が、こうして輪を作ってそこに指を入れられると握る必要なく引けるので、より力強くシートを引きやすいという利点があります。

テクノワンデザインの場合、通常のレースコースはアンクロック(反時計回り)。そのため下マークはポートで回航することになり、必然、下マークで(次の上りのために)引くのはポート側になります。そうした理由でポート側を滑車を追加して引きやすく、上マークで緩めるだけのスタボー側は滑車ひとつのタイプでセットするのが定番となっています。左右滑車数が異なるのは一番上の写真からもわかるでしょう。

カニンガムシート(赤色)が通る滑車にはさまざまな大きさがあり、大きいほど弱い力で引きやすく、小さいほど力を要するという関係があるので、非力な人は意識的に大きな滑車を使うこともあります。