ダウンウインド・チューニング

QK.Yさんからの質問

最近GPSにハマってます。現在、60キロは出せるのですが、それ以上スピードが伸びません。ブローめがけてフルダウンで突っ走ると、セイルがスカスカしてスピードに乗れないのです。アビームでジャストオーバーの風速ですが、スカスカする感覚は単に風速が足りないのか、もしくはセッティングなどに問題があるのでしょうか。ボードはスターボードSONIC90、セイルとフィンは、6.3で30cm、5.3で28cm。ジョイントはかなり後ろで、ブーム高さは通常より高め、セイルセッティングはダウンがMAX、アウトはプラスマイナス0くらいです。

A最高速60キロが出せるとのことなので、質問者は相当な技術レベルであることがわかります。そうしたエキスパートの、セイリングのわずかな「ブレ」や、わずかなチューニングの誤差は、実際に質問者のセイリングを目の当たりにしないと正確にお答えすることができません。なのでここでは一般論として質問の答を考えてみたいと思います。

1)ダウンウインドの向きに正しくボードを走らせてやること(テクニック含む)

ダウンウインドではどうしても体の位置が(重心が)テイル寄りになり、それにつられてセイルがアフターレイキしがちになります。しかしアフターレイキが強いということはボードが「ラフしたがる」ということで、そうしてラフしたがるボードを無理矢理下らせるところにロスが生じます。(質問者の場合はジョイントがかなり後ろだとのことなので余計にラフの力が発生しやすいと思われます。)

このロスを無くすためには、セイルをアフターレイキさせすぎない=フォアレイキさせることが必要。そのためには、ブームを握る両手の位置を「こぶし半分ほど」後ろにしてやります。こうしてブームの後ろを握れば、体が後ろでもセイルは前のまま、さらにはマストをより立てやすくもなります。もし今、「セイルを立てようとして体を起こすと、セイルを支えきれずに前に飛ばされそうになる」と感じるなら、まさしくこの「ブームの後ろを握る方法」が、問題解決の糸口になるでしょう。

また同時にこのときは、ハーネスラインを少しだけ長くするのも効果があります。短すぎるハーネスラインのダウンウインドは、マストが立てにくく、アフターレイキしがちになるので、アジャスタブルタイプのハーネスラインを使用して、リラックスしながらも過度なアフターレイキを抑えることのできる長さを探し出すことも大切です。

2)アウトを少し緩めにする

ダウンテンションはいつもいっぱいに引いていて間違いありません。ただしアウトテンションは、走る向きによって変える必要があります。

アウトテンションの基本は、「上るほど引き、下るほど緩める」です。すなわちクローズではセイルを浅く、下りではセイルを深く、です。質問ではアビームでプラスマイナス0だと思えるので、もしダウンウインドを集中的に走るのであれば、少し緩めてみてはどうでしょうか。その緩め具合はセイルによって大きく異なりますが、最低でも2cmくらい(最大で7cmくらい)緩めてみることをオススメします。それだけでダウンウインドに突入したときのスカスカ感が解消されることも多いので試してみてください。