オーバーフロー

QN.Sさんからの質問

最近ダイエットして体重が軽くなった(52kg)こともあり、オーバーフローに悩んでいます。90リッター弱のボードに大きめのセイルをセットしたり、途中で風が上がって来たとき等は醜いもので、直進時はフィンが抜け、ジャイブではボードが跳ねて撃沈の繰り返し。ジャイブに関しては今のところ、セイルを少し開いて減速してからターンする、レイルをあまり入れずにセイルに頼ってターンする、ターン弧を大きくする、などで対処していますが成功率は高くありません。小さいボードに乗り換えるのが正解なのでしょうが、他に何か対処方法はありませんか。

Aまず、直進でフィンが抜け、ジャイブでボードが跳ねるという点に注意してみましょう。これらの原因は、乗り手の体重云々よりも、フィンサイズとセイルサイズとのアンバランスにあると考えられます。一口にオーバーセイルと言っても、フィンとセイルのサイズが合致している場合のオーバーセイルと、合致せずにアンバランスな場合とのオーバーセイルはまったく異なり、ほとんどの場合はアンバランスなときにこうした現象が見られるからです。体重が軽くなったことでテイルが浮き上がりやすくなり、フィンのグリップが今までよりも落ちたことがアンバランスさを表面化させたと考えられるかもしれません。

質問内容からはボードサイズしかわからないので明確にはわかりませんが、今よりも最低2cm大きなフィンを使ってみたらいかがでしょうか?もちろんセイルサイズを小さくするという方法がベストですが、もし小さなセイルを持っていないとするなら、フィンサイズを上げることで対処できる場面が増えると思います。

フィンサイズを上げるというのは、ジャイブでも効力を発揮します。ご指摘のようにターン中に弾き飛ばされるのはレイルが水面を捕らえ切れていない証拠なので、そのレイルの入りの不十分さをフィンのグリップでカバーするということ。フィンのグリップ力でターン中のテイルが安定すれば、減速してターンに入ったり、ターンの弧を大きくするという行為がより効果的に成功へと結びつくと考えられるのです。

さらに、アウトをより強く引いてやることも効果大かもしれません。オーバーなのですからダウンは普段以上に引いているのだと思いますが、それに加えてアウトを引くことでバックハンドパワー(後ろ手にかかる重さ)を軽減させるのです。バックハンドパワーが軽くなるということはそれだけセイルが引き込みやすくなるということで、引き込みやすければそれだけボードが暴れず、ジャイブも安定します。一度「これじゃ引き過ぎでしょ」と思うところまでアウトを引いて試してみることをお勧めします。

これらチューニング面の他に、技術面として、絶えずマスト加重を意識することも試してみてください。セイリングもジャイブも肘が伸びないように曲げ続けることを意識することで、(ブームを体に向けて引くのではなく、曲げた肘に向けて下向きに抑えつけるようにすることで)マスト加重を高めてボードの挙動を安定させるのです。