ダウンベルト

QM.Kさんからの質問

ニールのRSレーシング7.3/6.2を使用しているのですが、ダウンベルトのテンションをかける理由と、その強さを教えてください。

Aレースセイルのフットのダウン付近にあるダウンベルトは、フットのテンションをコントロールするベルトです。セイルは大まかに言うと、ブームより上がスピードを、ブームより下がローエンドパワー(走り出し性能)やプレーニング時の安定感を生み出すセクション。この下のセクションのローエンドパワーや安定感は、フットがダラしないと(風を受けたときにフットがリーチのように開いてしまうと)効果が薄れてしまいます。フットはリーチとは正反対に、ガッチリと風を受け止めることが必要。そのためダウンベルトを締めてフットにテンションを与えるのです。このフットテンションとは、ダウンからアウトにかけて引っ張るテンションのことです。

もちろんベルトを強く絞めればフットテンションは強く、弱めればテンションも緩くなります。この度合いはセイルによって異なり(セイル性能を最高に引き出すフットテンションに違いがあるということ)、たとえばメーカー別に言うならば、ノースは昔から強いテンションで、ニールは比較的弱めのテンション、という関係があります。

ニールに限って解説すると、質問のRSレーシングも含めて、RS4までは比較的弱めのテンションが良いようです。ベルトをジョイントに引っかける程度では弱すぎですが、引っかけて軽く引くくらい。ちなみに最新RS5は、それまでとは違って、ジョイントに足をかけて引くほどの強いテンションが良いとされています。

こうしたダウンベルトテンションは、セイルのヘタり(伸び具合)によっても影響されるでしょう。長年使い続ければそれだけセイルも伸びているでしょうから、その分だけ少し強めに引く必要もあるということです。テンション具合は難しいとは思いますが、いろいろ試すことで自分が最もセイルを安定させやすいベルトテンションを発見してください。それは、的確なダウンテンションやアウトテンションを発見するのと同等の重要なチューニング要素なのです。