ジョイントの長さ

QG.Tさんからの質問

使用セイルのLUFF長は500センチ、でも指定マストは460センチ。そのためジョイントエクステンションを40センチまで伸ばして調整する必要がありますが、手持ちのジョイントは最長伸ばして42センチのタイプ。この場合、マスト内の挿入部はギリギリ残っているような状態で、それだとマスト下部が裂けてブレイクしそうな、そんな心配があります。

Aジョイントエクステンションは最長に伸ばした状態でもマスト内に15センチほどの長さが挿入されるように作られています。そしてその長さが挿入されていれば、通常はマストブレイクの心配は無用。なぜなら、それで大丈夫なようにジョイントもマストも計算されて作られているから。なので「例外」を除き一切の不安を持たずに安心して使ってまったく問題ありません。

マストは新品であっても折れる可能性があります。でも新しいマストなのに折れてしまったとしたら、それはジョイント挿入が最短だから折れた、とはまったく別次元の問題で、マスト本来の性能的問題としてメーカーにクレームという形で新品交換などの対象になると思います。なので以下には、それとは異なる事案としての例外とは何か、について記します。それは、使用するジョイントがカーボンである、また使用中のマストに経年劣化が見られる、の2点。

アルミのジョイントは、強いダメージがあったときに「曲がる」。対してカーボンジョイントは同じダメージで「折れる」という違いがあります。性能的にはカーボンの方が良いのは常識としても、日常使いで「折れる」可能性が高いのは不安が残るので、私も含めてアルミのジョイントを使う人は多いと思います(ジョイントが折れたらそれまでですが、曲がるだけならその後のセイリングも可能だし、微妙に曲がった程度ならその後も使い続けることも可能だから。私自身、過去幾度かカーボンジョイントが折れて大変な目にあった経験を持つので懲りてます)。その話の上で、もし質問者がカーボンジョイントを使っているとするなら、より伸ばして使うほどに「ジョイントが折れる」可能性が高まります。マストに対してジョイントは細く、高さ調節のための穴や溝があるのだからそれも当然。すなわちこの場合は、ジョイントを長く伸ばして使う代償として、マストではなくジョイントが折れてしまうかもしれない、という懸念。これは質問内容とはズレのあることですが、マストブレイクとジョイントブレイクが同じ結果をもたらすことを考えて、あえて問題提起しました。

質問のようにマストが折れるのでは?との懸念に関しては、経年劣化によってマストの最下部(ボトム部)に白いシワのようなクラック(裂け目)が見えたとしたときに懸念が現実になる可能性が高まります。少しのクラックが引き金となって一気にマストが縦に裂けてブレイクするかもしれないからです。またジョイントをマストに挿入した際に、ジョイントがマスト内でガタガタと隙間がある(遊びがある)場合も注意。通常ジョイントはマスト内にほぼピタリと収まるように作られていますが、例えばジョイント上部に最初はプラスチックの蓋があって、でもそれが欠落して、そのためマスト内でジョイントが大きくガタツクようなケースがあり、その場合は、その遊びのガタツキが引き金となってマストをブレイクさせる要因になるかも、です。

いずれにしてもこのような例外的なことが無いとしたなら心配は無用。今の道具はそれだけの安心度があると信用して使って大丈夫なはずで、私もまたそう信じてジョイントを(質問者のように)最長に近く伸ばして長い年月を使っているし、それでマストが折れた経験もありません。