アーロンブームのシートワーク

QM.Yさんからの質問

アーロンのブーム、MCX-26X 160-210cmを使っていますが、アウトホールのシートをどのように通して使うのが正しいのか適切な方法を教えてください。

A質問を受けてからすでに3ヶ月が経過してしまったことをまずはお詫びします。当該ブームが身近に無く、その入荷待ち及び使用できるものをゲットできるまでに長らくの時間がかかってしまいました。

アウトホールの通し方は、アウトホールがグロメット(穴)なのか、それともプーリー(滑車)なのかで異なります。そこで、それぞれについて見てみましょう。

下の写真は最新モデルですが、たぶん質問者のも(年式不明ですが)これとおおよそ同じエンド形状だと想定して話を進めます。

まずはグロメットの場合。エンド下側の滑車部分に「内側」から固結び(できればよりコブが大きくできるエイトノット)で作った「だんご」をスタートとして通します。そこから滑車を回して再度内側へ。その際の通し方は写真を参考に左右、上下を違わずに。なぜわざわざ内側から滑車を一回りさせるかというと、それの方が「だんご」が抜けにくいから。

エンドの内側から見るとこんな感じ。そうして通したシートを上のクリート(シートを最終的に止めるための金具)側の穴に通します。

実際のセッティングの視点。シートは「輪っか」になっています。これで準備完了。

そのシートをアウトホールに。このとき、アウトホールの中でシートが重なり合わないように通すこと。シートが重なり交差するとシート同士が締め付け合って引けない、緩まないとなってしまうので注意です。

アウトに通した輪っかの先をクリートとは逆側の溝に引っかけます。写真ではクリートが上側、輪っかの先を引っ掛ける溝が下側になって見えます。

そしてアウトを引く。出来上がりは下の写真の状態。グロメットに通るシートが重なり交差していないことがわかるでしょう。外すときはアウトを緩め、輪の先を溝から外すだけ。わざわざクリート側の穴からシートを「抜かなくて」事足ります。

次にエンドがプーリータイプの場合。シートの出発点となる団子は、グロメットタイプのときに「輪っかを引っかけたところの内側」からスタート。

それをグルリと内側に回してプーリーに通し、エンド側の滑車の下側に。

滑車を回って再びセイルエンドに戻り、もうひとつのプーリーに通してブームエンドのクリートへ。

そしてテンションをかける。出来上がりは写真の状態です。

ここに記したシートワークが必ずしも「絶対」ではありません。大切なのは「外れず」「緩まず」、それでいてシートワーク中にシートが「交差しない」通し方をすること。その点にさえ注意すれば、今回の解説と異なる通し方であったとしても何等問題ありません。