ボードコントロールとフィンサイズ

QT.Oさんからの質問

スターボードATOM100リッターと5.0のウェイブセイルの組み合わせで、オーバー時に海面が荒れているとボードコントロールが難しく撃沈してしまいます。フィンを小さくすると少しは楽に乗れたりするのでしょうか。

A残念ながらフィンを小さくしても効果は薄いと思います。

そもそも100リッターという板の大きさが5.0を使うようなそのコンディションでは「オーバーフロー」すなわち大きすぎでしょう。且つ、ATOMは横幅の広いマルチボードであり、それは「横幅が実ボリューム以上の浮力を乗り手に与えてくれる」という特性があるため、言い換えるならば荒れた海面では実ボリューム以上に板が大きく感じる、すなわち操作しにくい、となります。

マルチボードの利点はオーバーではなくアンダーにあります。そこを間違えてはいけません。それは100リッターでありながら(100リッターの操作性を持ちながら)、110リッター以上の板のようにバランス良く乗り手をサポートし、さらには100リッターでは走り出せないような軽風でも走ってくれるということ。質問者の悩みはその真逆に位置するので、本来利点となるべき板の性能がデメリットとなって表面化しているのだろうと想像できます。そしてそれは、その板の持つ特性であるが故に、フィン云々ではカバーし切れないと思われます。

ちなみにフィンを小さくした場合、オーバーで乗りやすくなるどころか、グリップが損なわれて頻繁にスピンアウトするなどの、さらなるデメリットを生じる可能性もありそうです。その理由もまた板の横幅に有り。フィンサイズは板の横幅に比例します。すなわち細い板は短いフィンで大丈夫で、でも同じボリュームでも幅広い板には少し長いフィンが必要になるということ。そうしてバランスが取れると言うことです。

とは言え、実際に試したことがないのであくまで想像の範疇の話で、改善される可能性が皆無かと言えば、そうは言い切れません。現在使用するフィンサイズやタイプが質問内で不明なので明確な答えは導けませんが、もし現在のフィンで「吹いてヒールが激しく、それに伴い板が舞い上がりやすい」とするなら、2センチ程度短いものを使うことで操作性を奪う「激しいヒール現象」を抑えやすくなるという理由で、相対的にオーバーが乗りやすくなる可能性がありそうだ、ということです。