カーボンフィンの再生削り出し

QH.Hさんからの質問

Zフィンを使ってスラロームを楽しんでいる一般セイラーですが、頓着せずに使っていたらフィンの先端が欠けてしまいました。そこでG10フィンと同じように削り直してみたのですが、削った部分がささくれ立って滑らかになりません。カーボンフィンはG10フィンのように削っての再生ができないのでしょうか。また、ささくれを無くす方法があるのでしょうか。

AそれはZフィンのみならずカーボンフィン全体に共通することです。G10フィンの素材繊維であるグラスファイバーと比べてカーボンフィンの素材繊維であるカーボンは繊維として非常に硬いので、樹脂が染み込んで固まった繊維がピンと針のようにケバ立つ性質があります。柔らかいグラスファイバーなら削り出しという方法で先端の欠けたフィンの再生が可能ですが、硬いカーボンファイバーは同じ方法で同じように滑らかに削り再生するのは非常に難しいと言えます。

板同様に、性能を落とさずに軽さを確保するため、樹脂の染み込みが最低限に抑えられているのも原因として挙げられます。樹脂がたっぷりと染み込んでいるならカーボン繊維同士の接着度が高く、繊維が跳ねてケバ立つこともないでしょうが、最小限の樹脂量であるため繊維の1本1本が剥離した状態でケバ立つとも考えられます。

カーボンフィンの取り扱いが多いショップとメーカーにも確認したのですが、やはりカーボンフィンの先端欠け再生は、板と同じ修理が必要のようです。具体的には、欠けた先端部をカーボンで被い、樹脂で硬め直してから、元の形状に再び削り出すという方法。それは板の修理工場で行ってくれるでしょう。

どうしても自分でという場合は、樹脂の少なさを補填するために樹脂を再含侵させるのが良いでしょう。そうすればG10と近い作業方法での再生ができるかもしれません。ただし、一般論としてエポキシ樹脂を少量入手し、取り扱いの難しいエポキシ樹脂を適切に扱い、適切に硬化させるのは難しいでしょうし、入手しやすいエポキシ接着剤では硬度に欠けるでしょうから、ポリエステル樹脂で、となるかもしれません。