上りをフィンで改善する

QS.Sさんからの質問

14年ぶりにウインドを再開して4ヶ月、プレーニングはどうにか思い出したのですが、風上に上れずに困っています。14年前はRRD286で後ろ足をストラップに入れると途端に上れたのですが、今の2011年スターFUTURA111と2013年セバーンTURBO7.5のセットでは如何ともし難い状況に陥っています。チューニングは、ジョイントがボックスの中央、ストラップは前後足ともに外側の真ん中、フィンはドレイクのG10の40センチ。ただ単に長いブランクによるウインド力の低下によるものなのか、もしくは道具的な問題なのか試行錯誤しています。

A昔の細くて長い板は、俗に言う「ラフ癖」が強く、すなわちプレーニングしたら勝手に上る癖がありました。しかし今の板にはそれが無く、吹いてもラフしにくいから乗りやすい半面で、上りは乗り手の意思によって操作しなければなりません。

以前は上れたとのことなので、技術的に大きな問題を抱えているとは思えませんが、テクニックの過去歴の中に幾つかクローズに関する項目があるので、今一度確認も含めて目を通してみてください。

板とセイルのバランスや、板のジョイント位置やストラップ位置に問題があるとも思えません。バランスの良い組み合わせがチョイスされているし、良い位置にジョイントもストラップもセットされていると思います。

簡単に言うなら「練習すればできるようになる」ですが、セイリングの回数も限られるであろうことを考えれば、ここはひとつ道具に手助けして欲しいところ。となると注目はフィンになるでしょう。

2011年のフツラは、フリーライドでありながらスラロームチックな性能を色濃く持ったモデル年度。そのため付属フィンもスピードを意識した40センチと少し小さめです。確かにそのサイズはトップスピードが伸びるサイズですが、上るには技量を必要とするサイズだとも言えます。そこで、42センチもしくは44センチのフィンを視野に入れるのが良さそう。42センチはスピードと上りが程良くミックスでき、44センチはさらに上りやすい利点が得られます(ただし、トップスピードという面では低下します)。

私的には44センチをお薦めします。ただし、44センチだと吹いたら板がめくれ上がるなどの支障が考えられるので、それを使うのはジャスト〜アンダー限定。本気で吹いたら40センチを使い分けます。そして44センチの時には、フィンの大きさに手助けしてもらってクローズの走りを練習、しっかりと身につけます。そうしてクローズの走りが身についてしまえば、最終的にはコンディションに限らず40センチでも問題無く上れるようになることでしょう。

大きめのフィンを選ぶ際には、手持ちと同じドレイクフィンを選ぶのが無難です。フィンは形状がさまざまで、形状が違うとサイズでは単純比較できない違いを背負い込んでしまうので、同じ形状の同じフィンのサイズ違いを選ぶことで、サイズの異なるフィンのメリットを最大限に実感できるからです。