ジョイント選択とセイルチューニング

QH.Sさんからの質問

ノースセイルのTONIC6.0のラフは460で、430のマストに30センチのエクステンション指定となっています。そのため30センチエクステンションが可能なロングのエクステンションパイプの購入を考えていますが、比較的安価なアルミにするか、それとも高価なカーボンにするか悩んでいます。それぞれを選んだときに発生する影響などを、TONICのチューニングアドバイスと一緒に教えてください。

A素材的、理論的に言ってアルミジョイントよりもカーボンジョイントの方がいいのは疑いようがありません。特に30センチを越えて長く伸ばせば伸ばすほど、マストと同じ素材であるためのメリット(曲がり具合や反発力など)があります。が、実際には、正直なところそんなメリットは感じません。ジョイントエクステンションの素材的違いは、あまりに小さすぎる要素だと言えます。しかし前述したようにカーボンの方が良いに決まってますから、予算に余裕があればカーボン、そうでなければアルミという単純な選び方でまったく問題ないと思います。

手持ちマストがノースのSTING50とニールのX3ということですが、STING50ならば推奨マストでもあるので問題ないでしょう。しかしX3の場合は、セットしたことがないので明確ではありませんが、もしかしたら少し「腰が弱い」張り心地になる可能性はあります。マストに記載されたIMCA表示が同じでも、カーボン含有率が低くなるほど、また、そのマストの想定使用者レベルがエントリークラス(ビギナーに近い人)であるほど、簡単に言えばマストが柔らかいからです。ただし、こうしたマストごとの違いと使用すべきジョイントとの因果関係はないので、購入すべきジョイントの問題とはまったく別に考えましょう。

質問者の使用ボードがMISTRAL MTX105とJP FREERIDE261という、ボリューム的にあまり大きくないボードだということなので、チューニングはそこそこ吹いてプレーニングできるときに焦点を絞るのが適切だと思います。アンダーに合わせたチューニングを施してもどうせボードが走らないのだから、それよりも走ったときによりラクに楽しく、を意識したチューニングの方がトクだろうということです。その場合、やはり大切なのは十分なダウンテンションになります。ノースの場合は、セイルトップに3つの楕円マークを見てダウンテンションを調節できるビジュアルトリムシステムがあるので、その楕円の中の一番マスト寄り、すなわちMAXを越えるようにリーチのシワが伸びるまでダウンテンションをかけます。これはアンダーでもそのまま。あとはアウトテンションで、オーバーならば引き、アンダーならば弛めるという調節をします。

アウトテンションは、ノースマストではセイルのBOOM表記数値が目安になります。ちなみに私は後ろの手にかかるプレッシャーがあまり重いのが好きではないので、表記数値のMAXもしくはそれを越えるまで引きますが、MIN数値まで弛めた方が好みの人もいるので、いろいろなコンディションで試して自分の好みのチューニングを見つけましょう。また、ニールマストの場合は推奨マストではないので、もしかしたらBOOM表記数値と大きな誤差が生じる可能性があることを忘れずにあれこれと試してみてください。