強風練習

QD.Yさんからの質問

84、100、115、135リッターの板と、4.7、5.3、6.0、7.3、8.6のセイルを持っています。強風になるとセイルサイズを落とした分だけ板サイズも小さくすることで、バランスが悪くなかなか乗りこなせずに悩んでいます。特にオンショアではヒドく、乗る練習以前にセイルアップやウォータースタートに終始してしまいます。このような場合、板の推奨セイルサイズを下回るような組み合わせで練習しても良いものなのでしょうか。

Aウインドに限らず何事もそうかもしれませんが、「固定観念に捕われすぎると損をする場合」があります。たしかに板には推奨セイルサイズがあり、セイルには推奨ボードサイズがありますが、質問者のように練習段階にある人は、その範囲を超えて考えなければならない場面もあるので、推奨サイズ云々はひとまず横に置いておいて、自分なりの組み合わせを模索しても何等問題は無いと思います。

例えば6.0と100リッターでちょうど良いオンショアコンディションがあったとしましょう。乗れる人たちにとっては、その組み合わせが最高と言えるコンディション。そんなオンショアでは、海面はウネり、波打ち際では膝程度の波が崩れているかもしれません。

その中で練習をしたいなら、セイルサイズを5.3に落とし、ボードサイズを115に上げます。セイルサイズを落として風に対する負担を減らし、その分を、ボードサイズを上げることでバランスを確保すると同時に、セイルサイズを小さくした事による加速力不足を板の浮力に補ってもらうということ。

強風の場合、まったく支え切れないほどのセイルサイズを使うので無い限り、その課題はおおむね板の操作にあります。オンショアであるなら尚更で、セイルは支えていられるのに波打ち際の小さな波や風に押し戻されて沖に出て行けないというのがその最たるもの。沖まで上っていけないから岸に張り付いたままという悲しい結末。そうしたシチュエーションにおいて小さいセイルで負担を減らし、より扱いやすい大きな板に神経を集中できれば、大きい板だからこそ上りやすいという利点も含めて沖へと出やすく(練習エリアへと出やすく)、結果として強風の走りの練習がしやすい、となります。

そうして走りの練習機会が積み重なったなら、次には板はそのままでセイルを6.0にチェンジしてみましょう。すると、たぶん走れるでしょう。ただし今度は、大きな板が走りすぎて困る場面が出てくるでしょう。そこで初めて板を適正サイズにチェンジします。そうした手順の中で、ベストと思われる板とセイルサイズの組み合わせへと自分を導くのが良い道筋と思います。