大柄な人の微風ウェイブボード

QK.Aさんからの質問

春から秋シーズンの弱風に対応するウェイブボードについて。大柄な体格ゆえ(183センチ/85キロ)、風が弱いと板が走らず、波乗りが楽しくありません。そこで波乗りが楽しめる板を探しています。110リッターくらいまではフリーウェイブ等の大きめな板が各社出ていますが、120リッタークラスとなるとほぼ皆無。現在クアトロのクアッド110を所有していて、それが弱風で走らず悩んでいるということもあり、ボリューム的にもっと大きなものを狙っています。バーレーヘッズのスーパーナチュラル115をスケールアップして120リッターくらいでカスタムオーダーしようかとも考えているのですが予算的に限られるという事情もあり、大悩みです。

Aまずバーレーに関して。昔のように名だたるライダーがいるわけでもなく、またここ数年は、残念ながら近場で目にすることも耳にすることも無いので、その情報はまったくありません。少なくとも以前のような開発状況にないだろうことは確かで、ゆえにそれについては善し悪し含めてまったくコメントできません。

手持ちの110リッターでボリューム不足と感じる質問者が、さらに大きな板を望むのは当然でしょう。そうした視点からカタログを見てみると、確かに選択肢は非常に狭く、ファナティックのフリーウェイブ116か、JPのフリースタイルウェイブ112(ボリューム的に手持ちボードと大差無し)、他にはタブーの3-STYLE116くらいしかありません。それぞれ横幅を見ると66センチ、65センチ、66センチとさほどの違いは無く候補として横並びになりそうです。

質問者は夏場の弱風での波乗りを重視していると思われます。私事ですが、それは私の嗜好にも共通します。例えば夏場、台風のウネリが入っているけど風は弱いというコンディション。プレーニングしない風で、でもパンピングして波のピークから波に乗ってしまえば楽しめるというような状況下では、やはり何と言っても波に乗ったあとの「キレ」を重要視します。すなわち、気持ち良く波乗りできるかどうか、が最重要課題だということ。

そうした中においてフリースタイルボードは活用できません。なぜなら、フリースタイルボードは「エッジで波を捕らえて」ができないから。テイルでグリッと回る「なんちゃってウェイブ」はできるとしても、「波乗り人」からすればそれは欲求不満が増すばかり。対してJPのフリースタイルウェイブは、フリースタイルという文言が入ったネーミングでありながらウェイブチックな動きができますが、ボリューム的に選択肢から微妙に外れるところなので悩みどころ。それを外すとなると残りはファナティックかタブーに限定されそうです。

ここまでは最新ボードで見てきましたが、中古ボードも視野に入るなら、少し話は変わります。

再び私事ですが、私は今も尚2008年モデルのファナティックFREEWAVE95を使っています。なぜそんな旧式な板を使い続けているのかと言うと、当時はウェイブも含めてシングルが全盛でまだマルチフィンは無く、その後、2010年を境にツインやクアッド、スラスター(トライ)のマルチフィンが登場したという時代背景から。すべての板に共通することではありませんが、あくまで「大ざっぱ」に分けるとするなら、シングル全盛の旧期は「板で曲がり、フィンで走る」で、マルチフィン全盛の現在は「フィンで曲がり、板で走る」の系統が強いと感じているから。すなわち8年以上前の板は、フィンの力を借りないと真っすぐ走りにくいけど曲がるのは得意=波乗りしやすい、のに対して現在の同種ボードは、板が基本真っすぐ走ろうとするところを小さなフィンで曲がりやすくしている=走りとジャイブは良いけど波乗りは?、だから。両者を比べ、波乗り重視で考えた時に心地良いのはたぶん前者だからです。

ゆえにもし質問者が中古で探しているとするなら、それは2009年以前のモデルで探すのが良いだろうと思われ(すでにショップの裏に捨てられてても不思議でないほど古いモデルかも?)、中途半端に2〜3年前の中古で探すと板の基本デザインコンセプト的なメリットを得られないかもしれないことを裏情報として付け加えておきます。とは言え、当時のモデルにも120リッタークラスのフリーウェイブ的モデルは非常に数少ないので、探すには相当な苦労が予想されますが。