ユーロピンorダブルピン?

QT.Aさんからの質問

ジョイントについて。先日ある方のブログでユーロピンのジョイントが沖で突然折れたとの内容を目にしました。メーカーは不明ですが、私自身がユーロピンタイプを使っているため気になります。こうしたトラブルを考えると、ダブルピンタイプ(カップタイプ)の方が無難なのでしょうか?そもそもユーロピンの利点は?

A同じメーカーでも年式やベースのモデル違いがあるので単純に比較検討できませんが、ユーロピンタイプのジョイントベースを大きく分けるとするなら、ピンと一体となったパーツに直接ラバーを止めるタイプと、ラバーにパーツが接続し、そこから伸びる「ビス」にピンが留められるタイプがあると思います。すなわち前者はラバーとピンが直接接続するタイプで、後者はラバーとピンの間に仲介者が介在するということ。そして多分、ブログの方はこの後者でトラブルに陥ったのでは?と想像します。なぜならユーロピン自体が折れることは無く(実際に私は20年以上ユーロピンですが直径1センチにもなろうかというユーロピンが折れたことなど1回もありません)、折れるとするなら仲介役のビスだろうと想像できるからです。

ではダブルピン(カップ)の場合はどうなのか?ユーロピンとの違いは、前述説明の後者(ビスタイプ)のビスがユーロピンに止まっているか、カップに止まっているかの違いだけ。それを考えれば、介在者のビスが折れたとすれば、その先にあるのがユーロピンでもダブルピンカップでも同じようにトラブルに陥ることになります。もちろん厳密に言えば、片やユーロピンという「棒」にかかる力と、片や棒よりも直径の大きなカップにかかる力には違いがあるでしょうが、いずれにしても介在者のビスが折れてしまえば同じです。

ユーロピンのメリットは、海上での接続が可能、指先が痺れるような冬場でもボタンを押しやすく接続しやすいなど多大。対するダブルピンカップタイプは、海上での接続不可、冬場は左右の小さなピンを押しにくく接続しにくく、また下手をすると指先の肉を挟んで痛い思いをするなどデメリットが多く挙げられます。ユーロピンを指示するユーザーが多いのはこうした理由によるものでしょう。

たぶん問題はメンテナンスにあります。接続にビスという仲介者を持つジョイントベースの場合は特に、ビスのサビや劣化による削れなどに注意。そもそもジョイントベースは、「ラバーは1年で変えるのが好ましい」と言われるほどに劣化を気にすべきパーツ。ラバーのみならず、それを上下に接続するビスなどにも目を見張り、もちろん海での使用ならば使用後は必ず水洗いするなどの一般常識を踏まえていれば、ダブルピンよりユーロピンの方がリスクが高いとは到底思えません。