フリーウェイブの乗り換え

QNさんからの質問

07年頃のFREEWAVE102リッターに乗っています。乗りやすさやターン性能は大変気に入っているのですが、最高速が頭打ちで乗り換えを検討中。プチウェイブやジャンプも楽しみたいのでレース系の板は考えていません。最近の板で何かお勧めありますか。

Aまず、フリーウェイブと呼ばれる板の概念について再確認しておきましょう。それは「自由に走れて」「波にも乗れる」板という意味。岸際に波があるようなコンディション時に、「波の無い沖でプレーニングしても善し、岸際で波乗りしても善し」という板です。フリースタイルウェイブもまたこれと同じ。フリースタイルというと、あのトリッキーなフリースタイル競技をイメージしてしまいますが、フリースタイルウェイブのフリースタイルとは「自由なスタイルで」という意味で、競技のフリースタイルとはまったく関係なく、フリーウェイブと同様の性能の板を示します。

これらの板の中には、小さいサイズから大きいサイズまですべてがフリーウェイブのものもあれば、小さいサイズは本格派ウェイブで、大きなサイズはフリーウェイブというように大きさによって異なる性能を持つものがあります。また、フィンに関しては、シングル、スラスター(3枚フィン)、シングルとスラスターを選択できるタイプがあります。

これらはどれも、乗りやすさやターンは保証されると言って良いでしょう。しかし問題は質問者の言うところの最高速。そもそも最高速と波乗り性能は反比例するので、波乗りにまで及ぶターン性能を期待すればどうしても最高速は頭打ちになってしまいます。この場合の頭打ちとは、波乗りのできる板の中では相当に速いけれども、走り系の板と比べるとそれほどではない、という意味。なのであまり最高速に気を取られすぎると、プチウェイブやジャンプの性能が今より落ちる懸念が生じてしまいます。

ここからは個人的な話になりますが、私はファナティックのフリーウェイブ(95リッター)を愛用しています。理由は(ちょっと長くなりますが)、逗子マリーナ沖の「カブネ」と呼ばれるポイントを考慮して。ここは年に1回以下の頻度でベストな波がヒットします。時にはマストオーバーの波が。そのサイズの波に最後に出会えたのはすでに7年も前になりますが、そのとき私は(当時乗っていた板で)フェイスを真っすぐに、ただ一目散に滑り降りてるのに頭の上からスープに飲み込まれそうになりました。その経験をして「その気になったらもっと速く走れる板じゃないとヤバい」と思いました。また、カブネも含めて逗子から大崎の幾つかのポイントを楽しむには、帰り道が上りになります。カブネから帰ってくるには(そのポイントにベストな風向がクロスオフの風であるため)、逗子までは真上りで、戻るには2キロ以上も沖合まで「一本引っ張って」走らならないほど。すなわち「良く上って」くれないと困るのです。その中で出会ったのがフリーウェイブ。もちろん、もしかしたらもっと良い板があるかもしれません。しかし他の板をそうした場面で実際に試せる機会が無いので、保守的に「確実なもの」を選択するのが良かろうと、今も愛用しています。

走ることに関してはシングルフィンが一番無難というのもあります。スラスターもグリップはしますが、上りも考えればやはりシングルに勝算ありと言えるでしょう。ゆえに、走ることに比重を置くならば、選択はシングルフィン、もしくはスタスタータイプでもシングルで使えるようにすること(ゴミが引っかかりやすいなどの難点もありますが)。もちろん私が使うのは、その気になった時に後ろ足を踏ん張ってもガッチリ支えてくれて、上りも悠々とこなしてくれるシングルです。

質問者が、同種の板を(試乗会などで)試せればそれに越したことはありません。たぶん一発で選択の答えが出るでしょう。しかしもしそうした機会に恵まれないなら、私と同じように保守的な考え方も、確実性という点では選択肢かと思います。すなわち、今乗る板の最新バージョンを選ぶということ。それで、プチウェイブとジャンプの性能という譲れない部分は保証されるし、たぶん新しければ今より速いだろうと想像でき、その部分にも大いに期待できるからです。

ここまで記したことは、私自身の情報が少ないことに起因します。秋のカタログ号でもしかしたらフリースタイルウェイブについて考察するかもしれず、万が一そのときに色々と乗れる機会が訪れたとしたら、さらに詳しい情報を提示できるかもしれませんが、今のところはこの程度の答えしか導き出せません。なので、今後もショップで話を聞いたり、周りで同種の板に乗る人がいたら話しかけてみたり、試乗会で実際に乗ったり、たとえ乗れなくてもメーカーの人と話す機会があれば情報収集するなど、なるべく多くの人から話を聞いて総合的に判断してください。