超ワイドボード

QGさんからの質問

最近、110〜120リッターでも横幅が80センチ近くある短くて丸いアウトラインの板がありますが、このタイプの板はどのような特徴があるのでしょうか。

Aショート&ワイド全盛の近代ボードデザインの中において、さらに短く幅広いRRDのFREEMOVEやファナティックのGECCOのような質問に該当する板が、他の板と大きく違う性能を持つか?と言えば、そんなことはありません。あくまで近代デザインの延長線上に収まります。その前提に立った上で、少し検証してみましょう。

横幅がある板は往々にして平べったく、それが水面に対して面浮力を高めます。浮力は(学問的には)密度と容積によりますが、体感的にはそれだけでは語れない部分も。特に静止時の浮力に関しては、幅広くて平べったい板ほどバランスが良く感じられる=足元が安定する、という理由で実ボリューム以上に安定して感じられる=浮力が大きく感じられる、などがそれに該当します。

また面浮力は走り出しの加速力も高めてくれます。簡単に言えば走り出しが良いということ。それでいて走り出したあとは実ボリューム通りの操作性があります。実ボリューム以上の浮力が感じられる=走り出したあとも実ボリューム以上に大きく感じる、のでは単なる「大きな板」になってしまいますが、走り出しは大きな浮力が感じられるのに、走り出したら相応のボリュームに落ち着いてそれ相応の操作性が確保できる、という特典です。

全長が短いとタックが難しいのでは?とも考えがちですが、短いことによって減ったノーズボリュームは、横幅や厚さに再配分されてカバーされているので安心です。

幅広いことによるジャイブの懸念もありません。幅広い分を薄さでカバーすることでジャイブも快適。逆に、幅広さによる丸みを帯びたテイルアウトラインと薄目のシェイプの組み合わせは、ジャイブ中盤以降の急激な失速を回避しやすく、後半テイルジャイブ気味になってもターンの「つなぎ」が良いために、あたかもターンが完成したかのような(失敗したはずなのに成功したような)感覚へと導いてくれる場面さえあります。

ただし直進性に関しては多少難あり。一般的に、アウトラインが直線的であるほど板は直進性が高く(スラロームなど)、アウトラインが曲線的=丸っこいほど直進性が低くなります。この如何ともし難い関係性のため「加速時にラフしやすく」感じます。これは「そこそこ乗れる人なら」難無く操作できる程度の「癖」ですが、技量的にプレーニングの入り口にいるようなレベルの人には難しさとして映るかもしれません。それ故に、RRDもファナティックも初心者対応型「フリーライド」ではなく「フリームーブ」というような位置づけで、それなりに乗れる人であったり、より深く楽しみを味わいたい人の2本目として、とターゲットを絞り込んでいます。

個人的な見解としては、スラロームチックな直進性やスピードを求めないのならば、このタイプの板はジャイブも含めて週末をとても楽しませてくれると思います。安定感抜群だから荒れた海面でのセイルアップも楽だし、周りが7.5あたりを使うコンディションの中を6.5あたりのノーカムセイルでそこそこ走り出させてくれるのもラク。体に優しく、それでいて楽しい板です。