ショートレンジの意味

QY.Hさんからの質問

i-SONIC122に乗っているのですが、このボードの全長の短さにはどのようなメリットがあるのでしょうか。タックはもちろん、ブローの走り出しでノーズが沈み込むなど難しさを感じています。

Aイラストはボードのロッカー(ボトム面の反り返り)を、わかりやすいように誇張して示しています。

画面左のAがテイル先端、右がノーズです。i-SONICを含めたスラロームボード(走り系ボード)の場合、テイルから1mくらいのロッカーは平ら(黄色線で示したAからBまで)。そこからノーズにかけて徐々に反り上がって行きます。このとき全長が長いほどノーズ先端の位置が高くなり(赤丸)、全長が短いほどノーズ位置は低くなる(青丸)という関係が成り立ちます。

ノーズの位置が高いと、セイリング中にノーズが進行風を受けて抵抗となるだけでなく、高速時やオーバー時にはボードが舞い上がる原因にもなります。対してノーズの位置が低いとそうした現象が解消されて速く走れると考えられています。これがボード全長が短いことのメリットです。

しかし全長が短いと、どうしてもノーズセクションのボリュームが少なくなってタックでノーズが沈みやすく、クイックタックという技術が必須となります。またノーズ位置が低い分だけ海面にのめり込みやすく、ウネリにノーズが突き刺さりやすいなどの弊害も現れます。すなわち全長の短いボードは、多大な長所を持つ反面で、短所を持つリスクがあると言えるのです。