ウェイブコンディションのサポートボード

QMさんからの質問

今年の晩春から初夏にかけて湘南ではウェイブの風が吹き続けました。しかしどうにも不安定な風速で、その中、手持ちの87リッターのウェイブボードに悪戦苦闘してしまいました。不安定でブローが頻繁に途切れる風の中では波を超えてアウトに出ることさえ出来ないこともあり、そうした理由において、当HPでも過去に推奨事例のある95リッターくらいの板に買い替えるのが良さそうだと、行きつけのお店で幾つかの板に試乗させてもらいました。試し乗りしたそれぞれの板の特性はそれなりにわかったつもりですが、そもそも論として、自分がどのような特性を持つ板を選べば良いのか、その基本的なところがわかりません。吹いてれば手持ちの87リッターでも波超えなど出来るレベルですが、波に乗ってアクティブに動ける技量までは行かず、オンショアでガスティーな厄介な状況下でストレス無く出艇できて、オンショアの横波にも負けずにアウトを走り続け、そうして次の「波乗り」というステージへと歩みを進めやすい板とはズバリ、どのような板なのでしょうか。

A波が小さく、風も弱めのプチウェイブと称されるコンディションを含め、ジャンプと波乗りを主体にするウェイブという状況下では、人それぞれ、自分のレベルによって、すなわち「そのコンディションで自分が何をしたいか?」によって、選ぶべき板が異なります。

よくあるパターンとして、試乗会などでメーカー(ライダーなど)の人に問うと、彼らのレベルの視点から「波に乗ってなんぼ」の回答が帰ってくることがあります。しかし質問者の場合、そことは少し違うところに論点があることでしょう。「波に乗っての機動力」云々ではなく、簡単に言うならば「足元を波にすくわれそうなシチュエーションでも真っすぐ走りやすく」「加速が良くてプレーニングしやすい」など。波に乗ってからの機動力はその後の問題と捕らえ、まずは走りやすさにこそ論点を置くべきでしょう。

加速が良くて真っすぐに走りやすい。そこにこそ質問者が選ぶべき板の特性があると思います。加えてそれらは波のある状況下での話なのですから、「波がある中で」「加速が良くて真っすぐ走りやすい」となります。波があるとどうしても加速力は低下するし、波の影響を受けるからいつもよりも真っすぐに走るのが難しい。実際に試乗する機会があるようなので、試乗艇の中から、それをフォローしてくれると感じる板を選ぶのが良いでしょう。

ちなみに波に乗ってからの機動力は、板の回転性能が良いということになります。しかし回転性能が良いとは、言い換えるなら真っすぐ走りにくいということ。この相反する要素の中で、多くの上級者は前者を善しとしますが、質問者が選ぶべきは後者だろうということになるわけです。

とは言え、将来的に技量が上達すると仮定して、いざ波に乗って動こうとした時に「動きづらい」板はイケません。そこでひとつ指針になるのがフィンシステム。

現在フィンシステムにはフィンの枚数で、シングル、ツイン、スラスター(トリプル)、クアッドの4種類があります。その中の注目はスラスター。センターに少し大きめのフィンが1枚と小さなフィンが両サイドに配置されたスラスターは、センターフィンの大きさを変えることで直進性を操作できます。コンプリートされるセンターフィンは波乗りを考慮して少し小さめの傾向がありますが、これをワンサイズ(2センチほど)大きなフィンに付け替えると直進性を向上できます。すなわちスラスターなら、センターフィンを大きくして質問者の「今」に最適な板の性能を手に入れることができて、且つ上達後の「将来」はセンターフィンを元に戻すことで回転性に注目できる。その両側面を手にできる可能性が高いということです。