ウィードフィン&対「藻」テク

QSさんからの質問

ゲレンデが藻だらけのためウィードフィンの使用を考えています。そこで、特徴や効果、選定の仕方を教えてください(現在、280cm/100LのSLALOMボードにFINWORKSの13.0を考えています)。また、それとは別のボードがディープタトル54cmフィンなのですが、それに対応できるウィードフィンが無いので、何か良い「藻」対策があったら教えてください。

Aウィードフィン(正確にはアンチ・ウィードフィン)の特徴は、藻が引っかかりにくい、ゴミが引っかかりにくいということだけなので、通常のフィンと性能を比較するのは間違いです。ウィードフィンの、フィンとしての性能は決して高くはなく、通常のフィンではセイリングがままならないから仕方なくウィードフィンを使うのだ、と理解すべきです。

そうした理由のため、「どうしようもない状況」以外では、一般的にウィードフィンは使いません。藻が引っかかってイライラしても、その都度取り除いて乗ります。また、そのためのテクニックもあります。そこでまずは、そのテクニックに関して解説しておきましょう。

まず、藻が引っかかったらラフさせてスローダウンします。引っかかったことで勝手にスローダウンしてしまったなら、これは必要ありませんね。そして上半身はウォータースタートの姿勢で、後ろ足だけを水面に入れ、後ろ足の親指のつま先をフィンの根元に当てて、その親指に藻を引っかけてフィンの側面に添って先端から蹴り出します。後ろ足を不用意にフィンに当てると怪我をするので、フィンの側面から攻めるのがポイントです。このとき上半身はウォータースタートの姿勢であるので、前足はストラップに入れたまま、腰から上は水面上にある状態で作業が終了できます。ボードがフォーミュラボードのような超ワイドボディーで、フィンが70cmもあるときは腰の上まで水中に入らなければなりませんが、このテクニックを練習してマスターすれば、セイルを倒すことなくボードをスロー走行させたまま藻を取り除くことができるようになります。もちろんこのテクニックは、ウォータースタートが簡単にできることなど、それなりに難しいし、それなりの風速も必要。でも上達してしまえば、風速2m/sで可能になるでしょう。かく言う私も夏場の藻の多い時期は、上下1.5kmのコースを1周するのに、こうして10回以上も藻を取り除いてセイリングすることが多々あります。

さて、質問に戻りますが、ディープタトル54cmに変わる性能を持つウィードフィンは無いでしょうから、上記したテクニックでクリアするしかないでしょう。また、SLALOMボードでどうしてもウィードフィンが必要ならば、メーカー発表の対応表を参考にサイズを選択してください。繰り返しますがウィードフィンが必要な状況は、通常のプレーニングが不可能なときだけ。そうした中ではスピンアウトするとか、スピードが出ないといった常識も通用しないので、多少サイズ違いを選んでしまったとしても関係ないでしょうが、あえて言うなら、どうせスピードが出せる状況ではないのでワンサイズ大きなものを選んでおいた方が無難かもしれません。

ただしここに記したことは、質問者がそれなりのレベルであろうという前提に立っています。藻が引っかかった途端に対処できずに前に飛ばされてしまうようなレベルの人であるなら、フィンの性能以前に「安心してセイリングできる状況」を重視しなければならないでしょうから、ウィードフィンは非常に魅力あるものだと思います。