セイルの張りっぱなし保管について

QT.Yさんからの質問

セイルを張りっぱなしで保管する際、ダウンは緩めた方がいいのでしょうか?自分的には中途半端にダウンを弛めてあると余計にセイルに負担がかかってパネルが伸びる感じがするので、現在は規定まで引いたまま保管しています。それだと弊害はありますか?張りっぱなしの保管で注意すべきことを教えてください。

A基本的に張りっぱなしの保管はダメです。セイルはご存じのように強いダウンテンションでマストをベンドさせて(曲げて)形ができるものですから、張りっぱなしだということは、セイルには絶えずマストが元に戻ろうとする復元力の力がかかりつづけ、またマストは絶えず曲げられた状態にあるので、どれほどダウンを弛めようがセイルはどこかが伸び、マストも曲がったままの形がついてしまいます。

長期の大会なのでは1週間など張りっぱなしのときもありますが、それは明らかにセイルを痛める原因で、できればそうしたことはしたくないと選手でさえ考えます。張りっぱなしできる限界日数は、せいぜい2〜3日と考えるべきです。また2〜3日のあいだ張りっぱなしにするときでさえ、ダウンは確実に緩めます。その理由は、少しでもマストのベンドを弛め、セイルにかかるテンションを弛めるためです。その際にはダウンだけでなく、アウトも弛めること。ダウンとアウトのテンションは比例しているので、ダウンだけしか緩めないとアウト方向(横方向)に強く引っ張られた状態になり、セイルが横方向にばかり伸びてしまうから。

ただしそうしてダウンとアウトを弛めて2〜3日間だけでも保管するときは、カムセイルの場合はカムの変形にも注意しなければなりません。カムセイルの場合、あまりダウンとアウトを弛めすぎるとカムが極端に曲がるので(弛めるとドラフトが深くなるからわかるでしょう)カムが破損したり、歪んでしまうのです。だからカムセイルの場合はカムが歪むほど極端に弛めすぎない方が良いと言えるでしょう。ノーカムセイルの場合はカムセイルのようなカムのトラブルはありませんが、それでも張りっぱなしだといたるところが痛み続けます。

現在、質問者はダウンを規定まで引いて張りっぱなしで保管しているということですが、そうしてダウンを引きっぱなしで保管できる時間は、弛めたときよりも短くてせいぜい1〜2日が限界です。それを越えたらセイルの寿命は恐ろしく短く、また負担のかかり続けるマストが折れてしまっても不思議ではありません。屋外で保管するよりも屋内で保管する方がまだマシですが、それも張りっぱなしではたいした違いはないでしょう。とにかくセイルは毎回セッティングし、毎回バラすのが当たり前と覚えておいてください。道具が大切だと思うなら、絶対にそうするべきです。